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取引先からの債権回収

「取引先の会社がなかなか代金を支払ってくれません。どうしたら良いでしょうか。」

悩ましい問題~取引先との関係継続

この種のご相談で,多くの頭を痛めているのが,取引先との関係でしょう。
初回の取引から不払い,支払い遅延ということであれば,直ちに督促し,支払わなければひたすら可能な回収手段を模索すればよいでしょう。
悩ましいのは,取引先とそれなりに長い付き合いをされていて,特に,売上げの多くをその取引先との契約が占めていたりする場合です。
たとえば,弁護士を立てるなどして強硬に督促すれば,当該取引分は回収できるかもしれませんが,その後の取引継続は保証されません。

時々,「先代から何十年とうちの会社から購入しているのだから,他の会社から購入なんかしたら文句を言う権利がある。」と錯覚されている方がいらっしゃいます。
ですが,契約期間等を定めて約束をしていれば格別,個々の売買契約が積み重ねられてきた事実があるだけで,取引先の会社には,取引継続をする義務はありません。
将来の取引継続を期待するのであれば,少々の支払遅延があるからと言っても,直ちの督促や回収をためらわれるのも,当然のことでしょう。

その一方,支払遅延が常態化してきているというのは,取引先が破綻に向かっていることを示す顕著な兆候であり,当該取引先が,売上げの大半を占めているというのであれば,連鎖倒産するおそれがあります。
なお,多くの場合,現場担当者レベルでは,破綻寸前であることを知りませんから,そうした兆候は,取引先の担当社員の顔色だけで判断されないことをお勧めします。

督促や回収を躊躇した結果,あなたの会社だけがわりを食うということは,是非とも避けたいところです。
判断の遅れが致命的な結果を招きますから,危険を感知した段階で,いざいう時に可能な対応がとれるよう,予め弁護士に相談しておかれることをお勧めします。

弁護士が介入すべき場合とは

会社から何度請求書を送っても,取引先がのらりくらり,不誠実な対応を繰り返しているような場合には,今後の取引継続をあきらめてでも,代理人弁護士名が入った「催告書」,「請求書」を取引先に送付した方がよいかもしれません。
取引先に送付する「請求書」「催告書」は,取引先が後日,「そんな書面は受け取っていない。」といった言い訳を封じるため,内容証明郵便(取引先への書面が到達した事実を証明するもの)で行うのが通常です。

取引先の財産調査

取引先に財産がなければ,たとえ勝訴判決を得たとしても,強制執行による債権の現実的な回収が不可能となりますので,訴訟提起前における取引先の財産調査は必須となります。
調査の結果,取引先に不動産,預金,売掛金債権などの財産が判明した場合には,これらに対する仮差押を行うことで,取引先の財産保全が可能となります。

取引先の財産調査を行うことで,

  1. どのような債権回収手段が適切か。
  2. 債権回収にどのくらいのコストがかかるか。
  3. 債権回収できる可能性の有無

といった判断が可能になります。
債権回収は,スピードが勝負です。できるだけの情報を集めた上で,弁護士に相談をされることをお薦めします。

取引先に対する訴訟提起

取引先に代金支払を拒む正当な理由がないと考えられ,かつ財産が見込まれる場合には,取引先との話し合いによる解決を目指すよりも,取引先に対する代金支払請求訴訟を提起して,勝訴判決を取得するのが良いと考えられます。
訴訟提起によって,取引先を訴訟の場に引きずり出すことで,以下のメリットがありますので、早期の紛争解決に向けた行動が可能となります。

【取引先に対する訴訟提起を行うことのメリット】

  1. 勝訴判決を得て、取引先の財産に対する強制執行を可能とする。
  2. 取引先の不合理な言い訳による時間稼ぎを封じる。
  3. 裁判所を介した和解のきっかけを作れる。

和解であれば,分轄払い,担保の提供,代表者の個人保証などを組み合わせた,現時的かつ柔軟な打開策を見いだせることもあります。

取引先の財産への強制執行

訴訟の結果,勝訴判決を取得しても,取引先が任意の支払に応じない場合も考えられます。
その場合には,勝訴判決に基づいて,取引先の財産に対して強制執行を行って回収を図るほかありません。
他の債権者と競合する可能性もありますし,取引先に財産があってこその回収ですから,ここでも,情報量とスピードが勝負となります,

(弁護士 髙橋裕,最終更新:平成25年11月6日)

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