男女の問題
man and woman's problems
慰謝料請求を受けた場合の対処について
「交際していた男性の妻(交際していた女性の夫)と名乗る人物から慰謝料を請求する内容の書面が届きました。どのように対処したらよいですか。」
3つの確認事項
まず,次の3点を冷静に確認してみてください。
- 誰からか?
- どのような体裁か?
- どのような内容か?
その上で,どのような対応をとるべきか,送られてきた書面(封筒を含む)を持参して弁護士の法律相談を受けることをおすすめします。
その1 誰からか?
まず,誰から届いた書面でしょうか?
本人ですか?代理人弁護士ですか?本人以外の第三者ですか?裁判所からですか?
通常は,相手の配偶者とまでは面識がないのが普通でしょうから,まずは,本当に本人からの請求であるのかを,文面や他の情報から確認するべきでしょう。
弁護士であれば,日本弁護士連合会のホームページで,その弁護士の登録の有無を確認することもできます。
私が扱った事例のなかには,請求は本人の意思ではなく,代理権限のない第三者による,ゆすり・たかりであったケースもあります。
最近では,振込詐欺のケースもあります。
あわてて指定された電話番号に電話をかけたり,個人情報を明かすような手紙を出したりすることはしないでください。
なお,送られてきた書面が,裁判所から送達された訴状等であった場合は,注意してください。
訴状であれば,指定期日に出頭しないと,欠席判決と言って,最終的に相手の請求内容どおりの判決を受けるおそれがあります。
その2 どのような体裁か?
どのような体裁の書面でしょうか?
普通郵便ですか?内容証明郵便ですか?あるいは,裁判所から届いた書面ですか?
書面はワープロですか?手書きですか?あなたが知っている字体で書かれていますか?
書面の内容だけからではなく,封筒の差出人名や書面の体裁から,その意図が読みとれるところが少なくありません。
その3 どのような内容か?
最後に,どのような請求内容になっていますか?
慰謝料の請求であれば,誰に対し,いくら,いつまでに支払えということですか?
また,書面に対する回答の期限はありますか?
なお,「1週間以内に回答をせよ」などと,期限付きで回答を求めてくることが多いですが,これはあくまでも相手が求めている応答期限です。
期限を過ぎたからと言って,何か法律上のペナルティがあるわけではありません。
ただ,「応答をしなければ裁判にしたり,何らかの対応を採るぞ」ということでしょうから,できるだけ早い時期にどのような対応をするべきかについて検討し,回答が必要であれば早めに回答をしたほうがよいでしょう。
法律相談のススメ
以上が,書面を確認する上でのポイントですが,どのような対応を採るべきかについては,やはり弁護士の法律相談を受けられることをおすすめします。
ご相談時に検討すべきことは,主に,以下の5点になります。
- そもそも回答をするべきか
- 話合いをするべきか,訴訟提起を待つべきか
- 支払に応じるべきか,支払を前提に和解をするべきか
- 和解交渉をする場合,提案内容はどうするか
- 和解交渉にあたり弁護士を代理人に立てるべきか