弁護士 伊東克宏のブログ
Katsuhiro Ito's Blog
H29.9.8「改正民法」勉強会が終わりました。
いつものメンバーを中心に,本年7月14日から全4回に分けて実施した「民法改正」勉強会が,先週金曜日(9月8日)に無事終わりました。
日本加除出版株式会社「徹底解説 民法改正〈債権関係〉」をテキストとし,勉強会の前には全員が通読して予習をし(?),著者の1人である濱田卓弁護士を講師兼アドバイザーに迎え,弁護士,司法書士,社労士,税理士の精鋭(?)が集まり,各方面から鋭い指摘や質問,意見を交えながら,非常に充実した勉強会となりました。
濱田先生はじめ,参加いただいた先生方,ありがとうございました。
改正民法は,オリンピックイヤーである2020年春に施行される予定です。
改正民法は,従前の判例の考え方を明文化したものも多いですが,時効期間や法定利率,「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」への変更,建物の一部滅失等の場合における賃料の当然減額など,ルールや制度のベースとなる考え方変わったものありますから,注意が必要です。
改正法の施行に向けて,契約書の見直し等の準備を進めるわけですが,施行と同時にすべての契約書を書き換えるなんてできません。
ですから,施行までに契約更新を迎える取引基本契約書などは,今から改正民法に合わせて文言を修正していくということでも良いと思います。
たとえば,遅延損害金について,5パーセントでいいやと考えて特に規定していなかった場合,改正後にそのまま更新すると3パーセントになります。
さすがに3パーセントはおかしいと考えるのであれば,今から約定で5パーセントと規定しておけばよいと思います。
また,賃貸借契約書なども,改正法施行後の契約書では,保証極度額を定めておかないと個人保証は無効になってしまいます。
改正法施行後にそのまま更新しても問題ないよう,今から「保証極度額は○○万円」と規定しておいてもかまいません。
改正民法は,改正法施行後は極度額を規定しないとダメだと言っているだけで,そのような合意を今からすることを否定はしていません。
このように,改正法施行前からやっておいて問題ないことは, やっていけばよいと思います。
(平成29年9月11日 弁護士 伊東克宏)
↓ 自前でリニューアル塗装作業を施したランプ。
(スイッチが特徴的であります。)
2017年9月11日、カテゴリー:民商法研究会
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