弁護士 伊東克宏のブログ
Katsuhiro Ito's Blog
えっ!被告人が朝風呂?
今朝,ある事件を起こして拘置所に勾留されている被告人の方に会いに行きました。
昨日も会って裁判のための打合せをしており,今日は行くつもりはなかったのですが,急遽1つだけ確認しなければいけないことがあって,朝1番ででかけました。
できるだけ早く終えようと思いつつ,午前9時30分ころ,面会を申し込んだのですが・・・。
拘置所の職員:いとうせんせい,すいません。○○さん,いま入浴中で。ちょっとお待ちいただきます。
わたし:えっ朝風呂?
でした。
警察の留置場も,拘置所も,週に3回くらいしか入浴の機会が与えられないというのは,もちろん知っていたのですが,朝風呂の場合があるとは・・・。
知りませんでした。
結局20分ほど待たされた後,ようやく会えた被告人の方に,「入浴するの朝なの?」と聞くと,「そうなんです。警察の留置場もそうでしたよ。」と言われました。
(なお,調べたわけではないので,ほかの警察署や拘置所がどうなのかは知りません。いままで私がこういう事態に遭っていなかったことを考えると,夕方などに入浴させる方が多いのではないでしょうか。ただ,「朝風呂」があり得ることだけははっきりしました。)
管理する側にとっては,「危ない人」も含めて様々な方を大勢入浴させるというのは,たいへんに危険で,負担のかかる作業ですので,おそらくは,朝のほうが職員の員数が揃ってるとか,体制の問題だとは思うのですが。
それにしても・・・「朝風呂」ですか。
そりゃあ朝風呂もいいもんですが,入浴の機会が限られているとすれば話は別です。
拘置所に勾留された場合でも,被告人はずっと何もすることがないわけではなく,日によっては1日がかりで裁判所や検察庁にに呼ばれたりしています。裁判員裁判の被告人だったりすると連日出廷していたりします。「朝風呂」だと,少ない入浴の機会を逃す可能性が高くなりはしないかと心配になりました。(何らかの手当があるのでしょうか?)
とりわけ,空調の整わない(と皆さんが言う)橫浜の拘置所で,夏場に入浴の回数を制限されるのは,長期勾留される被告人の方には相当きついようです。
拘置所の職員の負担もよくわかるのですが,被告人になった方は「有罪の人」とは限りませんし,少なくともまだ刑に服しているわけではありません。
皆さんと少しも変わらない,ついこの前までは,普通のサラリーマンや普通の主婦だった,「普通の人」も大勢います。
入浴回数については,衛生面の問題もありますし,もう少し近代的に,なんとかならないものかと思います。
2011年2月23日、カテゴリー:「日々あれこれ」(日記)
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